吉田修一「路 ルウ」 [BOOKS]

とにかく時間もてあまして、どうにもならないこの苦痛・・・。
今日は天気もいいし!
昨日のような春の嵐の日は出掛けなくてちょうどいいんですが。

大好きな作家、吉田修一の新作「路 ルウ」を読んだ。

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日本の女性・春香と台湾の青年・人豪が偶然出会い、お互いほのかな恋心を抱く。しかし二人はその後すれ違いで、春香は台湾で新幹線プロジェクトで台湾へ、人豪は建築デザイナーとして日本へ。新幹線開通へ向けての幾多の苦難のストーリーと相まって、日本人と台湾人のヒューマンなそれぞれの心温まる関係がそこここに同時進行で深まってゆく。人は出会いによって「人生の岐路」にたたされることがある、それをいかに積極的に活かすかがまさに「路 ルウ」なんだなと思いますね。単なる恋愛小説ではなく、現代の大河小説といってもいいかも。個人的には昔のもう少し軽い中編が好きですが、これはかなり読み応えのある真摯な小説ですね。

今日のリスニング・ミュージックは最新リリースの
エミル―・ハリス&ロドニー・クロウェルの「オールド・イエロー・ムーン」

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たまにはカントリーもいいものです。カントリーの流麗なギターってカッコイイですよね。しかもこの二人の大物デュエットがご機嫌です。ロジャー・ミラーやクリス・クリストファーソンのカヴァーもやってます。

ピーター・バラカン「ラジオのこちら側で」 [BOOKS]

ちょっと前ですが読みました。
ピーター・バラカンの日本でのラジオDJ遍歴が熱く語られています。

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同年代だけあって音楽的入口は近いものがありますね。70年代もボズ、ドクター・ジョン、リトル・フィート、オーリアンズ、スティーリー・ダン、ライ・クーダー等幅広く好みも同じですが、その後はワールド・ミュージック、更に幅が広がっているのはさすが。インターFMでのとつとつとしたDJぶりとヴァラエティ豊かな選曲のセンスには脱帽です。僕もFMうらやすで好きな曲かけてますけど、自分の好きな曲やアーティストって「これいいよ~!聞いて聞いて~!」ってなりますよね。そうそうバラカンさんインターFMの執行役員になってるんですね、なるほどな~と納得。


これもちょいと前に読みましたが、今結構その筋にうけている孫崎亨の「アメリカに潰された政治家たち」

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一歩間違えるとトンデモ本の世界ですが、スキャンダルの出しどころ、マスコミ操作、世論形成等々アメリカの影って戦後結構ありましたよね。親米でないと首相になれない、またはなっても失脚してしまう。アメリカに時にはノーと言える真の日本のインディペンデントなアイデンティティを確固としてもった人がリーダーにならないと本当に日本はいつまでたってもアメリカの51番目の州から脱却できない。


4月1日(月)

お天気も良く、かみさんの介助?!で近所に花見。
明海大学のテニスコート横の広場、いい感じ~。満開でした。

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ベンチもたくさんあってお弁当食べながらしばしマッタリ~。意外と知られていない?穴場ですね。

「ふがいない僕は空を見た」窪 美澄 おもしろい! [BOOKS]

最近読みたい本があまりみあたらず、たまたま平積みしてあり、しかもこの本が映画化されるというので読んでみた。予想以上の面白さにびっくり。


「ふがいない僕は空を見た」

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コスプレ・セックスにうつつをぬかす人妻、そしてそのお相手の純真な高校生斎藤くん、そしてその彼を好きな女子高生、(ネットでその行為を流す人妻の夫)、同級生のセイタカ、助産婦である斎藤くんのおかあさん、それぞれの視点でほぼ同じ時間の流れが5つの中編で物語られている。それぞれも独立完結した小説だが、5編全部を流れに沿って読むと重層的に登場人物のそれぞれの想いや感情の相違や同質性が柔らかく暖かく沁み込んでくる。テーマは現代風俗的ではあるがそれぞれの暖かい人間性がくっきりとした輪郭で描かれている。いい作品だ。映画も楽しみだが際どいシーンはどう表現してるんだろう・・・。



「アイスクリン強し」畠中恵

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「しゃばけ」でブレイクして今や人気作家だが、私本来時代小説苦手なんで読んでなかったが、この話は文明開化の明治の話なんで読んでみた。元士族の若様組が警察官や西洋菓子職人になったりして、滑稽な当時の西洋文明導入の黎明期でもあり、日本文化との衝突・混乱期の珍事件をコミカルに描いた、また西洋菓子にまつわる話等が興味深くよめた。畠中さんって元漫画家なんですね。たいしたものです。



「謎解きはディナーのあとで」東川篤哉

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連続テレビドラマでやっていたが観ていなかった。ブックオフで50円!だったんで買った。おもしろい。お嬢様刑事の奮戦記。でも実態はその執事が事件を次々と解決してゆくコミカルなミステリー小説。楽しいです~。



「大瀧詠一」のムック本

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だいたいこういう本は全部読まずに、ある一部だけ読んで本棚に入る運命だが、珍しく全部読んだ。大瀧さんの音楽的背景がよくわかる興味深い本だ。内田樹との対談もおもしろいし、増補の湯浅学のインタビューもかなりマニアックでファーストソロアルバムの制作過程がかなり細かくわかっておもしろい。大瀧さんもかなりのオタクですね。

「神様のカルテ3」ほのぼの~。 [BOOKS]

前2作に引き続き、地域医療に真摯に取り組む一止とそのカミさん写真家のハルさんの何とも言えないほのぼの、癒し系の昭和的、「昔」の夫婦のような、いいかんじです。イチの青臭い正義感がいいんですよね。

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今回もシリアスな医療現場の話が出てきますが、それをとりまく医者、患者、患者の家族の三者三様の考え方の違い。でもみんなおおらかで心の広い良い人ばかりの理想的関係。これって大事だよな~と、あらためて世知辛い現代の医療(病院と患者の関係)に一石を投じています。映画を観たこともあり、やはりイチは桜井君、ハルは宮崎あおいをイメージしながら読んだ感じです。また続編で映画化するのかな~。
夏目漱石好きのイチの文語調の話言葉や、志をもった若き青年の物語という意味では漱石の「坊っちゃん」の現代の地方のお医者さん版ってかんじかも。

それにしても毎日の暑さ。窓を開ければ何とか海風は通りますが、時々凪るので、扇風機。頑張って冷房は殆ど使わず。外に出ないことが健康の秘訣?高校野球TV観戦と読書と昼寝の日々。

「おじさん図鑑」→「節約の王道」 [BOOKS]

最近ウィークデイに街を徘徊しているおじさんが激増しているように思う。「おじさん図鑑」なる、そんな、いろんなおじさんを観察して類別しているイラスト入りの本が出ている。おばさんの類別よりはやりやすいのか・・・。

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襟立て系の「ちょいワルおじさん」、「ぽっこりおなかのおじさん」、「半ズボン+革靴のおじさん」いるいる、「缶ビール・缶チューハイのおじさん」、「リュックのおじさん」確かに残存してますね、「怪しいヘアスタイルのおじさん」蒸しません?・・・とかとかイラストだけでも充分楽しめる。

自分もその中の一人として見られているのかもである。小さめのショルダーバッグを片方の肩にかけてキャップをかぶり、だいたいポロシャツ・・・、やばいkazpapaのファッションもそれに近い。この人種の大半は年金滑り込みセーフの僕たちのちょっと先輩の団塊の世代が多いように思う。彼らと違って元サラリーマンの私、厚生年金はもらえているが、国民年金は65歳からだ。何か変。人間、年齢とともに肉体、精神とも衰え徐々に非活動的になるのは世の常。60歳から全額すっきり出して徐々に減額する方式が妥当かと存じますが・・・。てなわけで今まで現役時代の時とは違ってあれこれ節約しないと生活できない。そこでお勉強。

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「節約の王道」林望さん、こんな本も書くんだ~。

・小銭入れは持たず貯金する。(これは以前から実施中。)
・飲み会には行かない(いやです!)
・海外旅行は思い切って2週間行く(賛成。去年は実施しましたが)
・たばこは無意味な浪費(しかり。周りも迷惑~)
・ジムに行くより道を歩く(プールは行かなきゃうちに無い)
・本は借りて読むな、買って読め(さすが業界人!)
・お金に余裕があったら子供に投資せよ(そう、何でも節約はいけません)

なんでもかんでも節約ではなく、使うべきところはちゃんと投資しましょうというお話。当たり前といえば当たり前のご講義でした。



「サラダ好きのライオン」村上春樹 [BOOKS]

anan連載のエッセイも終了し、この1年間の掲載分を集めた「村上ラヂオ3」が発売された。

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サラダ好きのライオン・・・いないと思います。
おはようからおやすみまで暮らしをみつめるライオン・・・もいないですよね。

プロフェッショナルとはいえ、毎週毎週あらゆる話題を繰り出して短いとはいえエッセイを書き続けるってすごいですよね。特に時事的、トピカルな話題でもなく、ありふれたテーマを扱いつつ、ものの見方、掘り下げ方がやっぱ普通の人と違うと思いますね。さすがのってる作家さん。




8月1日(水)

早いですね~。今日から8月。暑い夏。やっぱ一杯やらんと。渋谷でN社のSくんとB級居酒屋めぐり。1軒目は宇田川町で、以前は河内屋だったところにできた「磯丸水産」。センター街曲がったところで若者の人通りも多いところ。シチュエーションがすごいです。でもおじさまは気にしません。

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ビッグな貝くんを自分のテーブルで焼いて食います。

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70点。でもこういう店があってもいい。

2軒目は、最近話題も沈静化している「鳥貴族」でジャンボ焼鳥を。

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まいうーです。一皿オール280円ですからね。コスパフォ120%。

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安くて美味い店はやっぱ強い。もう完全に定着してますね。店を出る時5,6組ウェイティングしてましたし。3軒目は70年代ロックバー「グランドファザーズ」。今、マイブームのグレイトフルデッドをリクエストしたら、何と1枚も置いてないと!マスターの流派とあわないのかな~。ロギメシの”アングリー・アイズ”をリクエストして納得。でもこの店も長いよな~。何しろ僕が大学生の頃からあったから。頑張ってください!伝統の<アルバムからの一曲がけ>の術、サイコーです。でもこの晩は割とポップな70年代後半から80年代の盤がよくかかってたな~。珍しい。マスターもいつも同じあたりばっかかけてたら、やっぱ時にはちょっと脱線したくなりますよね。


ジョージ・オーウェル「一九八四年」 [BOOKS]

村上春樹の「1Q84」はジョージ・オーウェルのこの小説「一九八四年」があったから生み出されたと言ってもいいだろう。

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1949年に刊行されたこの小説は当時からすると近未来1984年の共産党一党独裁下のロンドンでの国家再編後のできごとが重苦しく展開するが、ハイライトは後半で、党の統治手段に疑問を持つ主人公が拷問により強制的に洗脳され<二重思考>を強いられるさまが壮絶に描かれている。そして・・・。

人々はテレスクリーンというインタラクティブな装置で常に行動を監視され、プロパガンダ・洗脳されている。歴史も党の都合のよいように書き換えられ真実の情報が捻じ曲げられる。言語さえも思想的に都合の悪いものは削除され、体制に都合のよい言葉だけが厳選され残される「ニュースピーク」という新しい言語体系に変えられてしまう。発刊当時はスターリンのソ連批判の書としてライト・ウィング・サイドにもてはやされたそうだ。「思考警察」「真理省」「平和省」「愛情省」「潤沢省」等思想、哲学の統制を謀る様は、まさに太平洋戦争時の日本、オウム真理教や連合赤軍をイメージさせる。

党の桎梏の象徴である「ビッグ・ブラザー」は村上春樹の「1Q84」では対照的に「リトル・ピープル」としてある種の希望をそこに見出そうとしている。

久々に重苦しい小説を読んだ気がした。

「PK」伊坂幸太郎 と・・・ [BOOKS]

伊坂幸太郎の中編3作の「PK」は軽いタッチでさくっと読めました。

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「PK」ワールドカップ出場を決める最後の土壇場でエース・ストライカーが絶不調。そして最後にその日みちがえるような動きでPKをもぎ取る。キックする前に彼は一瞬苦悩しているように見えた。彼の親友がそこで耳打ちをする。その言葉は一体何だったんだろう、裏側では・・・。伊坂流サスペンス、面白い。

「密使」これってSF小説ですね。周りの人々の時間が止まり、その時間を集めてあるミッションが与えられる・・・。これまた発想が面白い。



もう一冊。
「宇宙は何でできているのか」村山 斉

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2010年の暮れに購入して、読もう読もうと思いつつ・・・。漸く読みました~。宇宙の本ってある時期すごい読んだ経験ってみんなあるんじゃないかな~。でも何度この手の「入門書」読んでも難しいですよね反物質とか、クォークとか・・・広大な宇宙を知るには真逆のミクロの素粒子論で解いていくんですね。前半は何とかギリギリ理解出来たけど、後半は理解できずに読んだって感じでした。ビッグ・バンのあと宇宙は現在加速しながら膨張している。さてその後はどうなるのか、クライマックスは最後に書かれているけど、これはまだやはり諸説あって正解が出ていないそうです。だよね~。
・ニュートリノは毎秒何十兆個も私たちの体を通り抜ける
・すべての星を集めても宇宙全体の重さの0.5%
・私たちの体は超新星爆発の星くずでできている
・反物質のエネルギーは0.25グラムで原爆なみ
・・・・難しいけど面白そうでしょ?!
宇宙に生命が誕生することも不思議というか、奇跡というか。
壮大な宇宙のことなんか考えてたら、ちょっとした悩みなんて馬鹿馬鹿しくなってきますよね~。いやほんま。

「道化師の蝶」円城 塔 [BOOKS]

田中慎弥に話題が集中しすぎて第146回芥川賞で割をくったのがもう一人の受賞者円城 塔さんです。遅ればせながら「道化師の蝶」読みました。

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う~ん。田中慎弥も不思議な世界でしたが、この作品もファンタスティックというか幻想的で読んでて途中でんんんん~?と難解。20カ国以上の言語を駆使してそれもその国々で作品を別のペンネームで残していった作家を追って・・・。この本に収録されているもう一作「松の枝の記」これもストーリーが奇妙奇天烈。二人の作家がお互いの本を翻訳しあう。そのうちお互い先に相手の翻訳本を相手の発想を元に刊行してしまう・・・。読んでて頭こんがらかってくる。




5月23日(水)

生まれ育った自由が丘へ。残念ながら自由が丘デパートは定休日。写真は2階の飲食店街からモンブランを望むの巻。でも街は僕の住んでいた時代の自由が丘とは全く違う街と化していました・・・。

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九品仏で幼馴染の兄弟のように遊んだGSくんの母君のお通夜へ。その前に通りの珈琲豆屋の小さなカウンターで珈琲。

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九品仏の境内は昔チャリ乗り回してあそんでたんだけど、今や庭園風に木がびっしり植えられていて、あまりの激変ぶりにびっくりでした。四半世紀ぶりに幼馴染のGSくんに会ったけどお互い感激。彼のお母さんが会わせてくれたんだなと。彼、全然変わってないのにびっくり。時間が止まっている気がした。

「太陽は動かない」吉田修一 [BOOKS]

吉田修一の新作を読んだ。

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428ページの大作。スリルとサスペンス、ミステリー。タイムリーなことに、日本と中国2国間の「太陽光発電」の開発、主導権奪取を巡る政治、巨大企業、暗躍する情報屋の闇の暗闘のストーリー。それらの人々が入り乱れての多人数が錯綜しつつ、同時に3か所ぐらいで物語は進行してゆくので、何が何やら理解するのに時間がかかった・・・何度「主要登場人物」のページを見て確認したことか!漸く最後の最後が読みどころで面白かったが、吉田修一らしからぬ作品かな。もっと人間味あふれる作品のほうが彼には向いていると思う。



新浦安のホテルでの食事・・・

某日

オリエンタルホテルの「美浜」に久々に行ったところ、店内はまたまたシックに改装し、メニューも変わり、お値段もちょっとお高くなりましたが、味も良くなり、この変化よいと思います~。

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某日の3日後

三井ガーデンホテルのランチ・バイキング。初めて行きました。

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ランチ・バイキング。海鮮小丼はギリ合格でしたが、他は・・・コメントできません。作ってる人ってこれらを食べたら一体どんな感想なんでしょうかね~。試食してる?


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